コラム

2013/09/20

通算?度目の引退宣言(茨城・HS

通算?度目の引退宣言


▼アニメ制作会社スタジオジブリの宮崎駿監督が引退会見を開いた。過去に何度も引退を表明しては

撤回してきたこともあり、またかと思う人もいるようだが、今回は「本気」らしい。今年で御年72歳。

会見での受け答えをみると、まだまだやれると思ってしまうだけに何とも残念だ。


▼会見場には海外のメディアも詰めかけた。70台のビデオカメラ、200の媒体、600人以上の報

道陣。この数字だけでも注目度の高さがうかがえる。筆者を含め、多くのファンが寂しさを感じる中、

当の宮崎監督自身は笑顔で質問に受け答えしていた。


▼会見の一問一答を読むと、随所に監督の人となりが表れていることがわかる。中でも印象に残った

のは、「チームのおかげでやってこれた。一人で孤高を保っているという監督ではなかった」という

部分。


▼天才と評される人は得てして独善的になりがちだが、監督は「わからないものはわからないという。

そういう人間として最後までやれた」と周りのサポートを強調していた。興行収入300億円を超え

る作品を生み出した監督でありながら、それをひけらかすことなく謙虚でいることも皆から愛される

理由の1つだろう。


▼監督は今後、ジブリ美術館の展示品の修復など、やりたいことをやると言っている。今回の引退宣

言は長編映画を対象とするものなので、もしかしたら違う形でまた宮崎作品にお目にかかることがで

きるかもしれない。ファンとしては、できれば「またか」で終わって欲しいところ。最新作『風立ち

ぬ』も映画館まで足を運ぶ価値のある作品だった。監督の創造力は、まだまだ冴え渡っているのだが。

(茨城・HS)


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