コラム

2013/10/01

好調なチームに冷静な監督(茨城・MK).txt

好調なチームに冷静な監督


▼今夏に開幕した今シーズンの欧州プロフットボールの各国リーグ。開幕戦で6対1という大勝を収

め、注目を集めているクラブがある。ドイツのヘルタ・ベルリンだ。注目されたのは衝撃的なスコア

だけではなく、今シーズン2部から昇格したばかりなのだ。


▼首都に本拠を置くヘルタは歴史は古いが、最後にドイツ王者になったのは第二次世界大戦前の83年

前という。栄光とはほど遠いチームを変えたと言われるのが、就任2年目のオランダ人監督ヨス・ル

フカイ氏。


▼報道によると、ヘルタというチームは競争力が安定せず、内輪もめが多いクラブだった。財政難、

忠誠心に欠ける選手、選手の力を引き出せない監督などに悩まされてきた。ルフカイ氏の前の監督は、

試合でシュートを1本も打てなかったふがいない選手を罵倒していたという。しかしルフカイ監督は、

いかなる時も泰然として騒がない。練習はハードだが、冒頭の開幕戦の前には選手たちに「やってき

たことを、落ち着いて実践すればいい。結果は自然と付いてくる」とアドバイスし、感情の高ぶりを

抑えさせた。冷静さを失わなかった選手たちは試合中に正しい判断をして勝利を収めた。


▼しかし同監督が評価されている最大の要因は、クラブの体質を変えたことだという。少しの煙を大

火事のように騒ぎ立てるのが常だったクラブに争いごとを持ち込ませず、常に冷静に振る舞うことで

クラブの「空気」を変えた。


▼好調なスタートを切ったヘルタだが、同監督の今シーズンの目標は「1部残留」。地に足をつけ、

常に冷静な監督が率いる首都のチームがどこまで躍進するのか注目している。(茨城・MK)


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