コラム

2013/10/02

日本の夏を飾るもの(群馬・MN)

日本の夏を飾るもの


▼蒸し暑い日本の夏に、涼をとる代表的なものといえば、ビールにプール、スイカに風鈴や打ち水、

関西なら冷やし飴だろうか。しかし、なんといっても夏の涼はやはり怪談。夏になると怪談を耳にす

ることが格段に増え、ホラーや都市伝説などの不思議現象に魅力を感じる筆者としては心躍る。


▼特にオカルトを信じているわけではないが、「虫の知らせ」のような科学では説明できない「何

か」があるのも事実。まゆつばものと話半分、あえて騙されることを楽しみつつ、「もしかしたら」

と考えるのは日常のささやかな刺激だ。


▼怖い話の多くが「友人の友人が…」で始まる。これはFOAF(Friend Of A Friend)といい、身

近に感じさせることで真実を持たせ、不安や恐怖をあおる役目がある。確かに「友人が」と言われる

とぐっと身近でリアリティーをおびる。人から怖い話を聞くときもFOAFは頻出する。残念ながら

語るネタのない筆者は利用したことがない。ただし怪談ではないが、ささやかながら不思議な体験な

ら一度だけ遭遇したことがある。


▼拙宅の隣に小学校の体育館が立っている。時刻は午後11時すぎ、帰宅すると真っ暗な体育館から

ボールの弾む音が聞こえてきた。地域のスポーツクラブかと思ったが、周囲に迎えの車や人影はなく、

時間も遅すぎる。何より、照明の消えた体育館から激しく音がするというのは不可解だ。


▼あれは何だったのか。空耳として片づけてしまうには、ボールの振動まで伝わるリアリティがある。

真相は不明だが、「もしかしたら」と想像をふくらませると、秋風が心地良いこの時期に少し寒さが

増す。(群馬・MN)


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