コラム

2013/10/05

天災の脅威に立ち向かう(山梨・SA)

天災の脅威に立ち向かう


▼休暇を利用して、親戚が住む秋田県北部の大館市に出かけた。同市は、今年の8月9日に、観測史

上最大となる、1時間に120ミリ以上の記録的な豪雨に見舞われた。この影響で、市内の樹海ライ

ンという山間部を通る地元の主要道路で土砂崩れが発生。このほか、一般家屋では床上浸水するなど、

過去に例をみない大きな被害を受けた。


▼市の中心地から少し離れた郊外は、米どころを象徴する田園地帯が広がっている。本来ならば頭を

垂れ、もうすぐ稲刈りとなる時期を控えていた多くの水稲が、無残にも泥まみれとなり、横倒しとな

ったままの状態になっていた。痛々しい様子を車窓から垣間見て愕然とした。


▼付近の河川に目を移すと、水かさが大幅に増えた跡がくっきりと残っている。自然の驚異、豪雨が

もらたした爪痕の大きさがうかがえた。秋の収穫を期待し、日々苦労を重ね農作物に愛情を込め育て

てきた農家の方々の心情を考えると、胸が痛くなった。


▼想定外と云われる災害を未然に防ぐことは、現代の科学を持ってしても難しいのが現実だ。災害に

直面する度に、人間はとても無力であることを痛感する。しかし、復興するには必ず多くの人の力が

加わり、特に建設業界の強い後押しはに頭が下がる思いである。


▼日本列島では昨今、地震はもとより台風、竜巻など数多くの天災が発生しており、予測さえもでき

ない事態にある。物理学者で随筆家の寺田寅彦は「文明が進めば進むほど、天然の脅威による災害が、

その激烈の度を増す」と戦前から警鐘を鳴らした。しかし、日本の叡知と公共施設の強化で、自然に

立ち向わなければならない。(山梨・SA)


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