2013/10/18
縁起が良いモニュメント(茨城・MK)
「縁起が良い」モニュメント
▼茨城県建設業協会が入居する建設センター(水戸市)1階に不思議なモニュメントが設置された。
置かれたのは、朱色の「カエル」と備前焼の「壷」。なぜカエルと壺なのか、理解に苦しんだが。協
会の岡部英男会長は次のように解説した。
▼江戸時代の学者・貝原益軒が編纂した「大和本草」には、カエルの名は、他の土地に移しても必ず
元の場所に帰る性質に由来すると紹介されている。「お金が返る」という言葉もあり、カエルは縁起
の良い動物であると。
▼また、ノーベル賞授賞式のパーティーでは、参加した学生と受賞者がカエルのように飛び跳ねる
ユーモラスな儀式がある。受賞者のさらなる飛躍を祈願する意味が込められ、参加した受賞者には
「カエル勲章」が贈られるという。
▼朱色のカエルと壺<かめ>には、中国の三国志にこんな話がある。荊州を治めていた関羽は、州内に
赴任した無名の<ルビ>陸遜<りくそん/ルビ>がどんな人物かと息子の関平を偵察に行かせた。すると
陸遜は、大きなかめにたくさんのカエルを入れ、それを取り出しては頭に朱色に塗って広間に放ち、
それを見た兵士たちが大笑いしている。陸遜は「関羽殿は戦いばかりで楽しみをご存知ないようだ。
このカエルをご覧なさい。なんて面白いことでしょう」と語ったという。関平はこのことを関羽に告
げると、関羽は陸遜がたいした人物ではないと安心し、警戒を怠った。その隙を陸遜は急襲し、関羽
は荊州を追われる。陸遜にとって、まさに「思う壺」で「壺にはまった」と。
▼同協会ではモニュメントの設置を機に、金運に恵まれ、縁起良く、戦略を駆使して戦いに勝つこと
を期している。(茨城・MK)