コラム

2013/10/30

当たり前を徹底する(群馬・SS)

当たり前を徹底する


▼この夏の全国高校野球選手権大会で「凡事徹底<ぼんじてってい>」の信念を貫き通し、群馬県代表

の前橋育英高校野球部が優勝した。当たり前のことを、人には真似できないほど一生懸命やるという

のが本意。これは、あらゆる事柄に通じることだろう。


▼前橋育英野球部は初出場にもかかわらず、そのプレーは堂々としており優勝するにふさわしいチー

ムだった。2年生エースの?橋光成投手がクローズアップされがちだったが、3年生が攻撃的な守備

でピッチャーをもり立てた。日ごろから繰り返し、愚直に練習していたのだろうと容易に想像できた。


▼「インコースの打ち方より、トイレをきれいにし、靴をきれいにそろえること」を社会人野球時代

に学んだという荒井直樹監督。これが信条の基礎にある。チームは毎朝の散歩の際、ごみ拾いを行う。

甲子園に乗り込んでも当たり前に続いた。当たり前を徹底するうちにチームは、日常生活を自分たち

のプレーへと昇華させ、日本一の栄冠に輝いた。


▼「凡事徹底」を行っている人たちは身近にも大勢いる。例えばある建設業者は、もう何年も前から

同じ場所で同じように清掃ボランティアを続けている。当たり前のことになっているから作業も手際

が良い。地域住民から飲料の差し入れを受ける姿が印象的で、愛されていることがうかがえた。


▼この夏は前橋育英の快挙を喜ぶとともに継続することの難しさも身をもって思い知らされた。健康

増進のため1年にわたり続けてきたウォーキングは猛暑に負けて中断のまま今日に至っている。春先

から一回り大きくなったお腹は何かの警告だろうか。高校生には負けていられない。きょうから凡事

を徹底しよう。(群馬・SS)


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