コラム

2013/11/06

上限拘束性に両面戦略を(東京・UT)

上限拘束性に両面戦略を


▼リャンメン待ち、カンチャン待ちとは、麻雀をする人にはお馴染みの言葉だろう。リャンメンは両

面のこと。3連続となる数字の牌を揃える際、例えば手持ちの牌が6、7となっている状態を指す。

5か8が来れば、3連続が完成。カンチャンは、手持ちが5、7の場合など。6が来れば完成だが、

勝利する確率はリャンメンの方が高い。


▼業界の悲願の一つに、予定価格の上限拘束性撤廃がある。予定価格100に対し、101や102

では落札できないという厳格運用は、基本構造としてデフレスパイラルになる。


▼予決令80条第2項で予定価格は「取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期

間の長短等を考慮して適正に定めなければならない」と規定。裏を返せば、そのための具体的な数式

が定められているわけではない。


▼入札前に応札者から見積もりを徴収し、妥当性をチェックした上で予定価格を作成する「見積もり

活用方式」や、公共工事品確法の施行で実現した、応札者との技術的な対話の後に予定価格を作成す

る「高度技術提案型」の手続きは、100の予定価格を110、120などに変える可能性を秘めて

いる。さらに言えば、100に対して87に調査基準価格がセットされている場合、単純計算でこの数

字も97、107に引き上がる。


▼国交省で検討中の技術提案競争・交渉方式は、優れた技術を有する企業を選定後に価格交渉し、予

定価格を設定するもので、これも強力な武器になろう。上限拘束性の撤廃を求め続けると同時に、実

質的に無力化する既存ツールの活用領域拡大を図るという両面戦略が重要ではないか。(東京・U

T)


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