コラム

2013/12/03

誠実さこそ信頼への近道(茨城・HS)

誠実さこそ信頼への近道


▼元一級建築士による耐震偽装問題、いわゆる姉歯事件から8年。偽装という行為に対する世間の目

が年々厳しさを増している中、今度は立て続けに食品の虚偽表示問題が発生した。まさかあの大手百

貨店まで…という大企業もあり、その衝撃は計り知れない


▼高級食材の使用を売りにしていた料理は、実は安物だった。そんなもののために高いお金を払って

いたのか。いわゆる「信頼」に対価を支払っていた利用者が、企業側の裏切りを許すはずがない


▼確かに、聞いたこともないランプフィッシュの卵をめったにお目にかかることのできないキャビア

だと言われても、その違いを見抜くのは難しい。味が似ているのなら「まぁいいか」と思ってしまう

かもしれないが、仕入れ値が10倍以上違い、そのくせ料理の価格は据え置きならば、誰も納得するこ

とはできない


▼これから年末に向け、百貨店のおせちで正月を、という人もいるだろう。虚偽表示商品の購入には

返金で応じるようだが、一度染み付いたイメージを拭い去るのは容易なことではない。大手ならば商

売は続けられるが、中小ならば会社の存続にもつながる大問題だ。一連の問題を通して、商売の基本

が信頼であることを再確認させられたような気もする


▼建設業界も他人事ではない。手抜き工事をすれば必ず発覚し、倍返しどころでは済まない痛みが自

分に返ってくる。それはこれまで積み上げてきた地道なイメージアップ戦略を否定する行為であり、

業界全体を貶める行為でもある。建設業=信頼というイメージを世間に定着させるには、普段通り誠

実に仕事を続けていくことが一番の近道だろう。(茨城・HS)


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