コラム

2013/12/11

1粒で何度もおいしい(群馬・SS)

1粒で何度もおいしい


▼先日の朝、卵かけごはんを食べようと生卵を割ったら黄身が2つある二黄卵だった。まだ半分夢の

中での出来事だったが、小さな幸せを目の当たりにして一気に目が覚めた。「1粒で2度おいしい」

という言葉が頭をよぎった


▼「1粒で2度おいしい」は昭和30年に発売された江崎グリコ・アーモンドグリコのキャッチフレー

ズ。1粒でグリコとアーモンドが味わえることから付けられたらしいが、現在では転じて一石二鳥と

いう意味合いでも使用されている。1つのことを行うだけで2つの成果を得られれば、これほど効率

的なものはない


▼年末に向かう時節柄、テレビなどで宝くじのコマーシャルをよく見るようになった。ことしの年末

ジャンボ宝くじは1等前後賞合わせて7億円と例年よりも大盤振る舞いらしい。少し前にはサッカー

くじBIGの1等が10億円と話題になった。毎年ささやかな身銭を切って夢を託しているが、今のと

ころ夢は夢のままだ


▼雑談で宝くじが話題にあがると大抵「買わなきゃ当たらない派」と「買っても当たらない派」のど

ちらかにわかれる。「買わなきゃ当たらないよ!ロマンがないね」といくら熱弁を振るっても、毎年

のように3000円を300円にしてしまっている立場ではなかなか説得力が伴わない厳しい現実だ


▼だが、宝くじの収益金の4割以上は防災対策や公園整備といった公共事業にあてられる。はずれく

じを対象とした再抽選も実施される。これで仮に1等が当たったとしたら…。1粒で何度おいしい思

いができるのだろう。そんな夢想にふけながら、ことしもまた宝くじに手が出てしまう。

(群馬・SS)

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