コラム

2013/12/21

脳にだまされる?(群馬・UT)

脳にだまされる?


▼過日、取材した安全衛生大会のなかで、講師がある文章を示しイージーミスがなくならない原因に

ついて講演した。その一部だが「のうは、みれだやあまやりを、じうどてきにとのりぞける」という

ものだ。一見ただの支離滅裂な文字列であるが「脳は乱れや誤りを自動的に取り除ける」と「みれだ」

や「じうどてき」など日本語として明らかに間違っていても個人差はあるが、さほど苦労せずに読む

ことが出来る


▼なぜこんなことが可能なのかといえば、点が2つ並んでいるとそれが顔にみえるなど、脳が視覚か

ら得た情報を「いつも見ている通常の風景」として認識したがるためのようだ。講師はこのことから

労働災害が無くならない原因をミスをミスと認識できなかったからだと指摘し「自分の脳にだまされ

ないようにすべきだ」と話していた


▼一般男性の平均的な脳の重さは1400〜1500グラムと小玉スイカと同程度しかないが、その

中では常時5感から入ってくる膨大な情報を同時に処理している。その処理の過程では、どんなに注

意をしたつもりでも無意識に脳は自分をだまそうとしているのだ


▼脳にだまされないためには、注意すべき点を客観的に把握することが第一だという。筆者自身は脳

にだまされやすい体質なのか、講演を聴き、なるほどと膝を打つ場面が多くあった


▼講師が話した「自分の脳にだまされない」というフレーズが気に入り、それ以来心にとどめ、実践

を続けているもののミスの撲滅には至っていない。来年度こそは自分にもっとも身近な相棒である脳

にだまされないよう精進したいと思っている。(群馬・UT)


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