コラム

2013/12/26

賑わう富士山周辺(山梨・TH)

賑わう富士山周辺で


▼富士五湖の一つ、河口湖内には溶岩の浮島上に建てられた「六角堂」がある。通常は湖面に沈んで

いるが、今夏は猛暑の影響で、水面が引いてお堂に触ることが出来た。富士山周辺は世界遺産と六角

堂も話題になり、例年にない賑わいを見せた


▼富士山人気は六角堂だけではない。各企業が富士山周辺で大規模太陽光発電(メガソーラー)の建

設を計画している。地元では世界遺産として「ふさわしい景観や眺望を後世に引き継いでいく重要な

責務を負っている」と建設反対を訴える。山梨と静岡両県の11市町村も、太陽光発電設置に地元自治

体の同意を義務付けるよう、今後国に求めていくことを決めた


▼富士山周辺の自治体によると、太陽光発電など再生可能エネルギーで発電した電気を通常の電気よ

り高い価格で買い取る、国の「固定価格買い取り制度」が始まってから、事業者からの問い合わせが

多いという


▼一方、山梨県も先月に2015年度末までには防災拠点となる公共施設31カ所に太陽光発電を導入

する目標を掲げた。災害時に電力供給が仮にストップしても、防災活動拠点として機能できるように

整備を進める計画だ


▼ある自治体では設置事業者に建設自粛を呼びかけているが法的拘束力はないという。大企業にとっ

て広大で安い土地は魅力的だ。このまま次々と設置されると、ピカピカのパネル地帯になるだろう。

大規模な太陽光発電の建設には国が主導となり、地元の同意を得ることを義務付ける必要がありそう

だ。太陽光発電ブームが去った後、跡地はどうなるのか不安は残る。富士山周辺の美しい景観が変わ

らないことをただ願う。(山梨・TH)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら