コラム

2014/01/22

副市長2人制の是非(群馬・MY)

副市長2人制の是非


▼先月、群馬県渋川市議会で副市長の定数を1人から2人へ増員する条例改正案が上程された。阿久

津貞司市長は大型事業の推進に向けて新たに副市長を増員し、国土交通省から建設行政に通じた人物

を迎えようと考えたが、議会では反対が賛成を2人上回り否決となった


▼反対したある市議は「8万2000人の渋川市には必要ない」との意見。群馬県内を見ると、副市

長2人制を敷く市は人口・財政規模がトップである高崎市のみで、「厳しい財政状況を考慮すべきだ。

ましてや旧建設省からなんて」という考えが見受けられた


▼少し調べてみると、全国的に人口がおおむね12万人以上の市で、副市長2人のうち1人を国交省や

総務省から招く事例が多い。一方、人口5万人以下でも2人制の市はもちろん、1人制でも副市長に

国家公務員を充てる市を散見した。人口規模だけでの判断は、的を射てないと思えるが


▼自治体は国の動向を知りたいのが本音。国土強靱化の推進やインフラの長寿命化対策など国家的政

策方針が過渡期を迎えた近年は、その重要性は増している。常時必要なのかはさておき、これから数

年間は建設部署を所管する副市長を国に要請するという対応はあるのだろう


▼建設予算の大幅増により、自治体はおお忙しさだ。さらに職員数縮減という流れの中、職員1人1

人の負担は増す一方。大型開発のノウハウを有し国との常設パイプ役となる副指揮官の存在は、一般

職員の負担を軽減させ、きめ細やかな計画立案や的確な事業執行に力を注ぐ余裕を生んだはずだ。今

こそ、一方的な予算縮減により倒れた前政権の教訓を思い出したい。(群馬・MY)


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