2014/01/29
諦めないことの大切さ(群馬・KK)
諦めないことの大切さ
▼まだ自転車の補助輪が外れていない娘が突然、「サイクリングに行きたい」と言い出した。それな
らばと近くにある交通マナーを学べる公園で、補助輪を外して自転車に乗る練習をすることにした
▼「パパはそこで見ていてね!」と自信満々に足を蹴り上げ自転車をこぎ出すと、ふらふらとすぐ傾
き止まった。また蹴り出すと今度はハンドルを曲げすぎて転んだ。数回練習しても上達しない娘の
「もう大丈夫、サイクリング行こう」という根拠のない自信に、事故にあわれては困ると「あの木ま
で真っ直ぐ行けたらね」と言い聞かせ、練習を続けさせた
▼自転車産業振興協会の統計によると、日本の自転車保有台数は約8700万台で世界的に見ても多
い。ただし、日本では車両という認識が薄く、運転マナーや交通ルールの違反などが深刻な問題だと
いう。2012年の自転車乗用中による死傷者数は13万1762人で、そのうちの4割が24歳以下、
とりわけ15歳以下は約2割を占めている。小さな子ども達が多くの犠牲者となっているのが現状で、
交通整備対策や交通マナーの浸透が急がれている
▼何回も転んで傷だらけになる娘の姿を見かね、もう諦めようとした時、涙でくしゃくしゃになった
顔で「あす負けたらあさって勝つぞ。あさって負けたらその次勝つぞ」と、子ども番組の歌を大声で
口ずさみながらサドルに跨り足を蹴り上げると、よろよろと目的の木までたどり着いた
▼娘の成功と成長に喜びを感じるとともに、公道に出る娘に対する事故への不安もよぎる。諦めない
ことの大切さと危険を教える義務をひしひしと感じた。(群馬・KK)