コラム

2014/01/30

伝えることも使命(茨城・EM)

伝えることも使命


▼長野県土木施工管理技士会の牛越恵司会長は懸念する。「将来の就職先として、建設業に目を向け

る若者が本当に少ない。とりわけ、地域の企業、生まれ育った地で働こうという者がいない。これは

業界にとっても、地域にとっても非常に憂慮すべきこと」


▼同県は全国平均に比べ技術者の高齢化が進んでおり、技術を継承すべき若者の業界離れも深刻だ。

地域に根ざし、雇用を支え、安全・安心を守る。この体制の存続がいま、危ぶまれている。過酷な就

労環境を凌駕する使命感と達成感。これを、いかにして若者達に伝えていけばよいのか


▼この課題に対応し、県と建設産業団体は共同で建設系学科を有する県立高校すべてを対象にした研

修を開催。実技や座学を通じ、建設業をより身近に感じてもらい、入職を促進する狙いだ。最新の技

術や機材に触れ目を輝かし、講師役の技術者に進路相談する生徒の姿を見て、取り組みは必ずや実を

結ぶと確信している


▼牛越会長の会社は昨年、地元中学校による職場体験を受け入れた。参加した2人は、現場で撮った

写真をちりばめたレポート作りやCADによる道路設計作業を体験。牛腰会長は「パソコンを使い現

場を管理する、今の技術者を知ってほしかった」と話す


▼父親が同社の技術者である生徒の1人に体験理由を尋ねると「お父さんのようになりたい」ときっ

ぱり。父も「地域を守るやりがいのある仕事。将来、この道に進んでくれたら嬉しい」と思いを語っ

た。父の姿ほどとは言わないが、建設業をいかに身近に感じてもらえるかが若者離れを食い止める鍵

である。我々は伝える努力を怠ってはいけない。(茨城・EM)


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