2014/02/08
落ちなければ良し―の発想(新潟・CY)
落ちなければ良し―の発想
▼「そろそろ撤去してもいいかな」。週末にベビーゲートを取り外すことにした。予測不
可能に動きまわる赤ちゃんの移動範囲の限定や落下防止に、約一年間、お世話になったも
のだ
▼思い起こせば、設置にはちょっとした紆余曲折があった。拙宅の構造上、しっくりくる
既成品は当てにできない。仕方なく、自作を試みることにした。階段と玄関は比較的簡単
に封鎖できたが、難関は裏口だった。裏口といっても駐車スペースの関係上メーンの出入
口。左は脱衣室の引き戸、右はキッチンの引き戸が歪んだコの字型に並んでいる。相対し
ていない引き戸を前に、どこに柵を取り付けるか、途方に暮れた。柱を起点に、斜めに設
置して強度は大丈夫か。ゲートの開閉が引き戸の邪魔にならないか
▼あれこれ考えたが、1人ではもうお手上げ。実家の父に協力を請うことにした。これま
での案とウィークポイントを説明し、素人2人でうーんと悩むことしばし。父がつぶやい
た。「落ちなきゃいいんだから無理に柵じゃなくてもいいわけだ」
▼通せんぼで対応するのではなく、廊下と土間の高さを同じにすればいいという。厚めの
板で土間に羽目板を渡して、終了と相成った。にわかづくりで少々格好悪いが、経済的で、
撤去も簡単。部分的な利用も可能だ。思いがけず、無垢材の床が誕生し、子どものお気に
入りスペースとなっていた
▼しかし、子どもの成長は早い。羽目板も柵も、あっという間にその役割を終えてしまっ
た。板を外しながら、改めて自身の凝り固まった頭を反省し、予想に反して柔軟に立ちま
わった柔軟性ある父を密かに見直したのだった。(新潟・CY)