コラム

2014/03/01

清水の舞台を支えるもの(埼玉・HM)

清水の舞台を支えるもの


▼初めて京都の地を踏んだ。1000年にわたる歴史と伝統を持つ都として栄華を極め、かつての日

本の政治、文化の中心地であった。昨年のことだが、文化や街並みなど初めて見る京都はどれも新鮮

だった。特に圧巻だったのが清水寺だ


▼現在、清水寺は「平成の大改修」の真っ最中。奈良時代に創建されてから何度も焼失し、現在のも

のは江戸時代に再建された。改修は、建物の状態により全解体、柱を残した半解体など工事内容も様

々だ。歴史を継承していくための慎重な作業が求められる


▼舞台の柱には樹齢300年以上のケヤキを使うが、必要な時に手に入るかわからないため、京都府

は山を購入し、植樹を行っているという。平成の大改修のその先に備えた取り組みだ。バリアフリー

化も進められており、参道舗装やスロープ設置によって、車椅子で境内を一周できるようになった


▼道中、目的地が同じだった米国人の二人組と、言葉を交わすうちに友だちになった。彼らは合気道

の国際大会のために来日したという。筆者も学生時代に合気道部に所属していたことから話に花が咲

き、日本文化の話題で盛り上がった。「日本は美しいところ。それに、みんな優しい」。彼らの日本

に対するイメージだった


▼日々取材をしていると、工法や構造にその目的に合った工夫がされていることがわかる。いまの

「美しい日本」は、建設業者の努力と工夫の賜物である。バリアフリー化も次世代への取り組みも日

本人の優しさから来ているものだ。6年後の東京オリンピック・パラリンピックに向け、これからも

世界に誇れる日本をつくっていってほしい。(埼玉・HM)


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