2014/03/11
先輩へのコラム(茨城・EM)
先輩へのコラム
▼未曾有の大震災から3年。大切な人を失った女性が 「時間の経つほどに苦しさは増していく」と
つぶやいていた。別れの3月。職場で、プライベートで、程度に差異あれど何かしら変化の訪れる季
節である。連れてくる悲しみが、時とともに和らぐものであることを切に願う
▼この春、先輩が定年を迎える。郷土訛りと優しい笑顔が印象的で、出会いを大事にする方だった。
出来の悪さや愛想の無さにもさじを投げることなく、折りに触れて励ましていただいた。その昔は豪
腕で鳴らしたとも聞くが、知る限り、8割褒め、2割諭す、そんな方だった。最後まで期待に応えら
れなかったことに、ただただ申し訳ない気持ちで一杯だ
▼温かく、熱い方だった。「無知だから何も怖くない。無知だから何でも取り込める」。駆け出しの
頃、世間知らずを棚に上げのたまう筆者を、切り捨てることなくなるほどと包み込み、その上で「本
を読みなさい。歴史を知りなさい」。学ぶことの大切さを説いてくれた
▼ゴルフに読書、音楽鑑賞と趣味は多彩で、新しいものにも敏感な方だった。スマートフォンやiPOD
を操り、個人のホームページも開設していた。好奇心が服を着た、そんな方だった。これからも充実
した日々を送られるのだろう
▼小欄は弊社の誰もが出稿を許されている。これも先輩が構築したものだ。お題に縛りを設けず、自
身の思いや考えを自由に表現できる。必然的に固くなりがちな紙面の中、日々各様な話題で読者の目
を和らげたいとの思いからだ。この文章で、先輩の人となりが皆さんに伝わるだろうか。少しでもご
恩返しになれば嬉しい。(茨城・EM)