コラム

2014/03/12

ライバルは昨日の自分(群馬・AN)

ライバルは昨日の自分


▼先月閉会したソチ五輪では日本人のメダル獲得数が8個に終わり、金メダルは男子フィギュアスケー

トの羽生結弦選手のみとなったが、いずれの競技とも日本国民の期待を背負った選手の姿には大いに

感動させられた。とりわけ、女子フィギュアスケートフリーでは、前日のショートプログラムで大き

く順位を落とした浅田真央選手が自己ベストを更新する素晴らしい演技を見せた。前日の自分に打ち

勝った瞬間だった


▼ショートプログラムの演技後、総理大臣経験者による失言が大きな物議を醸したことは記憶に新し

い。外国特派員協会での会見で、その発言に対して聞かれた浅田選手は、東京五輪開催の要職にある

元総理大臣経験者の立場をおもんばかるなどし、23歳の大人の対応をとった


▼その浅田選手と同い年で、ライバルと称される韓国の金妍兒(キム・ヨナ)選手は見事銀メダルに

輝いた。2人はジュニア時代から比較され続けたが、常に互いの存在を認め合うことで、成長の糧と

してきたのは事実。金選手は、今回の五輪で競技生活にピリオドを打つ


▼ライバルとは宿敵、好敵手を意味し、漫画などでは必ず主人公にライバルがいた。あしたのジョー

では矢吹丈と力石徹、キャプテン翼では大空翼と日向小次郎といったように。ライバルがいるからこ

そ自身は輝いていく


▼浅田選手の素晴らしい演技後、あるラジオのコーナーで『あなたにとってライバルとは』との企画

を耳にした。幼馴染みや恋敵など、さまざまな意見がある中『自分自身』と答えたリスナーがいた。

『昨日の自分より、きょうの自分』なのだという。思わず浅田選手と重ねた自分がいた。

(群馬・AN)


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