コラム

2014/03/21

雪利用の新展開に期待(新潟・CY)

雪利用の新展開に期待


▼雪室コロッケなるものを食べた。ほおばると、ジャガイモの甘みがふんわりと広がった。雪を利用

して貯蔵すると、食味が向上するという


▼豪雪地帯を持つ新潟。雪を使った商売は古くは昭和30年頃まで見られ、魚の輸送や病人の熱さまし

などに利用されてきた。食品保存にも歴史があり、うまみが増すとされてきた。現在では、感覚に頼

るばかりではない。おいしさの「裏付け」も進んでいる


▼先程のコロッケの原料であるばれいしょ。農業総合研究所によると、雪室貯蔵は冷蔵庫貯蔵に比べ

グルコース、フルクトース、スクロースといった遊離糖が大きく増加するそうだ。貯蔵開始から90日

目から違いが目立ち始め、150日目にはそれぞれ倍近い数値となった。2012年には県内食品関

連の約20社が「雪室」を冠した統一ブランドを立ち上げている


▼雪利用は食品に留まらない。冷房としての活用も、電力消費を抑えられると注目が高い。新潟県は

北海道に次いで、学校など様々な施設に導入事例がある。そんな中で、県は雪冷房を利用したデータ

センターの誘致を目指し、適地調査を14年度当初予算に組み込んだ。泉田裕彦知事もかねてより言及

していたが、いよいよ本格始動となるようだ


▼スマートフォンの普及や書類の電子化などで、需要の高まりをみせるデータセンター。コンピュー

ターの放出熱を冷やすため特殊な空調を必要とし、電力消費が大きい。ここに厄介ものの雪を投じて

宝の山に転じようというわけだ。古くからあった雪ビジネス。ここに現代の技術が加わることで、新

たな新潟モデルの花開を期待したい。(新潟・CY)


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