コラム

2014/04/29

指名競争入札中心の群馬(群馬・OS)

指名競争入札中心の群馬


▼長年住み慣れた山梨から群馬に転勤して、はや4カ月。環境の違いに慣れつつも、山梨との違いを

いくつか感じた。群馬は人口が2倍以上であること、そのせいか山梨に比べ若干街並みが都会である

こと、赤城山からの強風が結構な頻度で吹くこと、そして入札が指名競争入札中心であること


▼同じ関東近郊にあり、同じ国土交通省関東地方整備局管内ではあるが、山梨が一般競争、そして総

合評価落札方式に大きくシフトしているのに対し、群馬は指名競争が中心。群馬各地で取材をしてい

るが、いまだに一般競争の記事を書いたことがない。出くわさないのだ


▼自治体の入札担当者に理由をたずねると「経済対策としての、あくまで暫定的な措置」との返答。

県では本年度も指名競争入札の執行を可能とする「暫定措置」を続ける方針だ


▼復興事業やアベノミクスによる公共事業の急増を背景とした資材や人件費の高騰により、全国で入

札の不調不落が数多く発生している。その点群馬は落ち着いたもの。弊社のデータによると、群馬県

内で予算規模上位のある市では、2013年度に1078件の入札を実施した。そのうち不調となっ

たのは23件で不調率はわずか2%。工事案件に限って言えば不調は4件だけという状況だ


▼「指名競争は最大の総合評価」と、ある業者が語っていた。粗悪工事が出れば、次の工事から指名

されないからだという。建設業を取り巻く環境の変化や、談合問題などの発覚を機に入札契約制度が

変化していくのは当然のこと。しかし、不調が少ないことが功を奏しているのは、指名競争であるこ

とは事実であろう。(群馬・OS)


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