コラム

2014/04/10

森林の機能と役割再認識を(新潟・YY)

森林の機能と

役割再認識を


▼日本各所から、さくら満開の報せが届く。特に今冬、経験したことのない雪害に見舞われた地域で

は、春の到来を嬉しく思う気持ちは別格なのではないだろうか。しかし、花粉症の症状に悩む人々に

とっては辛い季節でもある。2月終わりからスギ花粉の飛散が始まり、ヒノキにバトンタッチ。長く

切ない時期が続く


▼成長が早く、まっすぐ伸びるスギは、木材として戦後の日本で多く植えられてきた。林野庁が発表

したデータ(2012年3月31日現在)によると、日本の森林面積に対する人工林は41%で、そのう

ちスギが18%、ヒノキが10%を占める。森林全体の3割近くがスギ・ヒノキの人工林というわけだ


▼しかし、花粉症の原因として一部で敵対視されている感もあるスギだが、重要な木材資源であると

ともに、大雨時に洪水を緩和させ、水資源を貯留するなど、水源のかん養機能を持つ。ただ、林業の

衰退により正しい森作りのサイクルが崩れ、森林機能を発揮できなくなっている地域も数多い


▼また、近年報告されている外国資本による森林買収も気になるところ。新潟県では水源地域(森林)

を保全するための条例を制定。水源地域の保全に係る基本理念を明文化し、水源地域の土地等を事前

に把握するため、土地所有権の移転等に関する事前届出制度を設けることを決めた


▼日本国土の3分の2を占める森林だが、その置かれている状況は思いのほか厳しい。安全・安心な

国土形成には、森林が担う機能と役割が重要なことの一つであると、国民一人ひとりが再認識しなけ

ればならない。2年後には国民の祝日『山の日』も施行される。(新潟・YY)


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