コラム

2014/04/15

その姿勢でよいのか(茨城・EM

その姿勢でよいのか


▼息子が小学2年生に進級した。1年前の今頃は、初めての学校生活に馴染めず、毎朝妻に休学を申

し出ていた。学校での事を話したがらず、ようやく聞き出せば休み時間は一人で絵を描いているとい

う。よほど案じていたが今では級友と楽しくやっているようで、先生から日々ゲンコツをいただくま

でになった。有難い限りだ


▼休日、宿題を見る。1文字書くごとに話しかけてくるものだから遅々として進まない。教室でもこ

の様ならば、先生の手が砕けるか、はたまた息子の頭が陥没するか、いずれにせよ時間の問題であろ

う。手遅れになる前に、まずは向かう姿勢を教えなければいけない


▼算数では足し引きを学んでいる。1+1=2。答えは一つ、明快だ。しかし、公共事業の入札では

1+1が2に満たない場合がある。「歩切り」である。設計書金額を根拠なく引き下げ予定価格とす

るもので、国土交通、総務両省が地方自治体に対し、厳に慎むよう再三要請している行為だ


▼昨年、全国中小建設業協会が会員企業を対象に実施した調査で、市や町において「歩切りが行われ

ていると思う」との回答が6割を超えた。歩切りの程度は、市では「3〜5%」が最多。町は「5%

以上」が半数を超え、「20%もの歩切りを行っている」との声も寄せられた


▼仕事量の増加に伴い資材や人件費が上昇している。市場価格と官積算の乖離が指摘される現下、歩

切りを行うことは、公共事業の発注者としての姿勢を問われはしまいか。国は今回、改善が見られな

い場合、自治体名を公表することも検討している。より強いメッセージを真摯に受け止めてほしい。

(茨城・EM)


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