コラム

2014/05/09

真の公共放送へ脱皮を

真の公共放送へ脱皮を


▼?疎にして野だが卑ではない?。「口は粗いが正論」との意味で、元三井物産社長から国鉄総裁に

就任した石田礼助氏が、国会に初登院したときの言葉という。氏は、当時の私利私欲にまみれ凝り固

まった国鉄に、民間企業で培った経営合理化の概念を持ち込み改革を遂げた


▼ことしから新たにNHKの会長となった籾井勝人氏。氏もまた、三井物産で役員を務めた改革者た

るべき存在だ。しかし就任会見では記者からの誘導尋問で、慰安婦問題について個人的見解を?ざっ

くばらん?に述べたが非難の的となってしまった。だが本質は違う所にある


▼NHKは「いつでも、どこでも、誰にでも、確かな情報や豊かな文化を分け隔てなく伝える」とう

たい、受信料を徴収しているが、支払率は2012年度末の全国平均で73・4%。東京にいたっては

61・6%だ。公共放送とは言い難い状況にある。原因は度重なる「偏向報道」にあるのではないか


▼イギリスの公共放送局であるBBCは、受信料収納率は98%で、5年に一度は存続を問う国民投票

が行われており、高い支持率を保っている。対してNHKは広告収入が皆無にも関わらず、民放と同

様のコンテンツを放送したり、政治的に偏向した内容を報道していることが問題視されている


▼テレビや新聞だけが情報を掌握する時代ではなくなった。インターネットの誕生で国民の情報選択

力が向上している。ぜひNHKには「日本放送協会」の名にふさわしい、国民が受信料を進んで払う

ようなメディアへと生まれ変わってほしい。疎にして野だが卑ではない、籾井会長の手腕にかかって

いる。(茨城・KS)


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