コラム

2014/05/15

真の復興はいつ訪れるか(茨城・KM)

真の復興はいつ訪れるか


▼東日本大震災で被災した牛久市にあるワイン醸造所「シャトーカミヤ」のフレンチレストラン『レ

ストラン キャノン』の耐震補強工事が完了し、先月に営業を再開した。現在工事を進めている本館

(旧事務室)は、2016年度内の工事完了を目指す。このように東日本大震災から丸3年が経過し、

茨城県内の復興はだいぶ進んできた


▼経済産業省発表の2013年通年工場立地動向調査によると、13年1月から12月における茨城県内

への工場立地は、電気業を除いた場合、立地件数、面積、県外企業立地件数、全ての項目において全

国第1位となった。また電気業を含む全体の結果では、立地件数、県外企業立地件数で全国1位、立

地面積で全国2位と、全国で断トツの実績となった


▼立地件数、面積、県外企業立地件数ともに全国トップとなったのは、01年の調査結果以来12年ぶり。

県は「原子力災害周辺地域産業復興企業立地補助金」や「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立

地補助金」の採択を受けた企業の立地が、電気業以外の件数、面積のうち約3分の1を占めているこ

とから「補助金の効果は非常に大きい」との見方を示した


▼一方で、震災後減り続けているのは県内の人口だ。11年以降3年連続で1万人以上が減少。出生・

死亡による自然動態の減少は、データの残る1965年以降で最多となった。転出超過による社会減

も進行している


▼工場が立地し、雇用が生まれ、人が増えても、年間の減少数1万人を埋めるのは難しい。県内の人

口が増加に転じ、県内全域が活気を取り戻したときこそが、本当の復興なのだろう。(茨城・KM)


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