コラム

2014/05/21

「さりげない」気配りに強さ(山梨・MK)

「さりげない」気配りに強さ


▼あるスポーツ雑誌が、プロサッカー選手が選ぶポジション別の現在の最強選手を特集した。主に守

備を担当するサイドバックでは、ドイツ代表で昨年の欧州チャンピオンチームであるバイエルン・ミュ

ンヘン所属のフィリップ・ラーム選手が選ばれた


▼代表でも所属チームでも主将を務めるラーム選手は、ずば抜けた運動能力があるわけではない。派

手にゴールを決めることも少ない。プレーはいたってシンプルで、どちらかと言えば地味だ。しかし、

共にプレーしたり相手として戦った選手は彼をすごいとたたえる。サイドバックは守備が基本。チャ

ンスならば攻め上がるが、相手ボールになればすぐに守備に戻らなければならず運動量も求められる


▼ラーム選手はこれらを高いレベルでこなす。そして常に顔を上げてプレーする。視野を確保できて

いるため相手選手のプレッシャーに戸惑うことも少ない。的確な状況判断ができる。これらの高い技

術があるにも関わらず彼は、前のポジションの選手に簡単にパスを出す。難しいプレーではない。し

かしパスを受ける選手は、それが「うれしい」のだという


▼攻撃の選手は、自分が相手を交わしてシュートをすることが得意だ。そのため「とにかく俺にボー

ルを回せ」という気持ちが強い。そんな選手に簡単にパスが出てくると、その選手は「よし!」と気

持ち良くプレーできるという。それがゴールに結びつく。そしてチームは勝利を収める


▼チームメイトが気持ち良くプレーできるように、さりげなく気を配る。ラーム選手がキャプテンを

任され、彼が率いるチームが強いのには理由があったのだ。(山梨・MK)


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