コラム

2014/05/23

「女性の活躍」重視は本物?(山梨・TT)

「女性の活躍」重視は本物?


▼理化学研究所の小保方晴子さんチームが、STAP細胞の発見で脚光を浴びたものの、数カ月後、

理研の調査委員会は、画像にねつ造と改ざんありとして、世紀の発見が気泡に帰した。不正行為の根

拠は、画像の切り貼り(改ざん)と学位論文との画像酷似(ねつ造)。ただSTAP細胞の存在は不

問とされた


▼「差し替え忘れ」との彼女の弁解があったにせよ見た目には、組織防衛に徹した理研側が、全ての

問題を彼女個人に押しつけ、まるで詐欺師のような悪者に仕立て上げているかのように見えた。当初

は日々研究に打ち込む職場内部も公表され、女性が働くためのムーミンの壁紙など環境整備に十分配

慮されていることを強く感じたものだった


▼それが彼女一人に責任を取らせ、トカゲの尻尾切りに終始した理研側は監督責任を取らず、いい加

減な運営もかい間見えた。このような法人に多額の国家予算(研究費)をつぎ込んでいてよいのだろ

うか


▼安倍首相は、成長戦略の柱の一つに「女性の活躍」を重視する考えを明らかにしている。女性登用

を社会政策だけでなく、経済政策として捉え、企業などの役員や管理職に、女性を積極的に登用する

こととし、2020年までに女性参画の目標を30%に掲げた。名目上、女性管理職を増やしても、実

績だけを横取りされ、責任を取らない旧態依然とした管理職がいるようでは、現実的には相当窮屈な

職場環境が待ち受けていよう


▼女性が働きやすい環境整備に力を入れていくようだが、それは育児や介護の支援策だけを充実させ

れば済む問題なのか。果たして日本は、経済成長していくのだろうか?(山梨・TT)


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