2014/06/10
この機に明日を思う(茨城・EM)
この機に明日を思う
▼ことしも早や折り返しに差し掛かる。年初めに掲げた目標に、まい進されている方、足踏みされて
いる方、様々おられよう。折角建てた道しるべ。多忙な日々の中、すでにほこりを被っている方も、
一つの節目として、煤を払ってみてはいかがだろう
▼先頃は業界団体の総会が花盛り。事業計画も承認され、さらなる発展へスタートを切った。震災か
らの復旧・復興、国土強靭化の始動、さらには東京五輪開催。団体トップは、資材の高騰や人材不足
といった問題を懸念しつつも、しばらくの間、業界は活況を呈すだろうとの見解が大半であった
▼改正された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)に対する期待も多く聞かれた。
改正品確法は、その目的の一つに地域建設企業の中長期的な育成と確保を追加。これを実現するため、
発注者の責務として「実態を反映した予定価格の適正な設定」「不調・不落時の見積もり徴収」「低
入札価格基準や最低制限価格の設定」「適切な工期設定、適切な設計変更」などを実施することとし
ている
▼受注環境の質、量ともに充実し、公共建設は後世に刻まれるであろう新たなステージに足を踏み出
した。しかし、手放しで喜んではいられない。人口減少や財政事情を踏まえれば、この状況が未来永
劫続くわけはなく、やがてまた厳しい時代は訪れる
▼現状を謳歌しつつも、この機に、未来を見据え、自社の強みを見出し、強化し、それを継ぐ若芽を
育んでほしい。ある団体の長は、こう警鐘を鳴らす。「東京五輪後には、適正な企業の数が、現在の
半分と言われるまでに市場は縮小するだろう」。(茨城・EM)