コラム

2014/06/12

すべての物にいたわりを(茨城・KS)

すべての物にいたわりを


▼古くから日本では、すべての物に魂が宿るといわれてきた。道具や自然など万物に霊魂が宿る「付

喪神(つくもがみ)」として信仰されている。欧米では、19世紀後半にイギリスの学者が「アニミズ

ム」として提唱しているが、あまり一般的ではないようだ


▼先日、テレビの情報番組で、来日外国人はどのような写真を撮っているのかを調査するコーナーを

やっていた。日本はユニークな文化に溢れているようで、外国人は自動販売機やコインパーキング、

店に並ぶ客の行列など実にさまざまな写真を撮っていた。なかには、電線の埋設箇所での工事禁止を

伝える看板の写真を収めている人がいた。その看板では電線が切れて電話が泣いている。日本ではご

く普通の表現法だが、外国では、物を擬人化することが珍しいのだという


▼現在、日本全国で地域活性化に貢献する?ゆるキャラ?にも擬人化したものが少なくない。千葉県

船橋の梨の妖精「ふなっしー」に、茨城県水戸は納豆の女の子「みとちゃん」である。付喪神(つく

もがみ)の力は偉大だ


▼4月に起きた痛ましい韓国旅客船の沈没事故。より多くの人と物を載せ、より多く稼ぎたい。そん

な強欲さから、日本で生まれたこの船には、安全基準を全く無視した改造が施されたという。この船

の魂も大いに傷つけられたことだろう


▼2012年10月、長崎県対馬の海神神社と観音寺の仏像が韓国に盗まれたが、いまだに返ってこな

い。仏像は魂が宿る最たるものである。盗難された日は、沈没した船が日本から韓国に売却された日

と近いうえ、同じ長崎県で盗難と建造が行われたことは、偶然とはとても思えないのだが。

(茨城・KS)


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