コラム

2014/06/25

私たちは英雄を忘れない(群馬・MN)

私たちは英雄を忘れない


▼2月中旬に関東と甲信地域を襲った大雪はすさまじかった。群馬県の県庁所在地である前橋市では

73?の積雪を記録し、県内の人的被害は2月末時点で死者8人負傷者94人、農業施設被害は247億

円と深いつめ跡を残した


▼事態が落ち着いたあと、隣の新潟県の除雪体制が気になって調べていると、関連して「スノーワー

カーズ・バレエ」という文字が目を引いた。ひとまず、隣県の除雪体制を横に置き「スノーワーカー

ズ・バレエ」をリサーチすると、これがとても興味深い


▼ここでいう「スノーワーカー」とは除雪車両のこと。「スノーワーカーズ・バレエ」は、新潟県内

で3年に一度行われる「大地の芸術祭の里」で発表された、ミエレル・レーダーマン・ユケレス氏の

作品。作品といっても絵画や彫刻ではなく、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をモチーフ

に、新潟県十日町市の除雪オペレーターとともに作り上げたアートパフォーマンスだ


▼冬の除雪車両とオペレーターは間違いなく英雄だが、夏になれば誰もがその存在を忘れてしまう。

「それなら英雄を思い出してもらいましょう」という発想で「スノーワーカーズ・バレエ」が生まれ

た。盛夏、エアコンのない車両で練習に励むオペレーターの方々は、暑いと苦笑しながらもどこか誇

らしげな表情だ


▼大雪のあと、自宅や職場から除雪車が見えたときの安堵は、今も鮮明によみがえる。わたしたちは

災害が終息すればすぐに記憶から薄れてまうが、それではいけない。降り積もる雪の中、真剣なまな

ざしで除雪車を運転する英雄たちを決して忘れてはならない。(群馬・MN)


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