コラム

2014/06/28

安心安全への責任(埼玉・YW)

安心安全への責任


▼安心安全に関わる出来事が立て続けに発生した。それぞれの立場の人間が責任をまっとうする「心」

と「覚悟」が改めて問われた。いま一度考え直さないといけない


▼4月16日、韓国の大型客船「セフォル号」が転覆し、乗船客の安全保護を放棄し、真っ先に船長や

女性航海士が脱出したことは記憶に新しい。5月に入ると、朝日新聞の報道によって福島第1原発直

後に、吉田所長(故人)の待機命令を無視し、所員の9割にあたる650人が第2原発に避難してい

たことが発覚した。原発に働く方はいざという時に文字通り「命がけ」で処理にあたらないと焼け野

原になりかねないが、なんと9割が命令違反で逃げていた。報道による発覚がなければ永遠に葬られ

るところだった


▼言えることは、安心安全への努力義務違反であり、責任の放棄であった。しかも自分可愛さの逃避

と、永久に非難され続けられるであろう。人命につながる業務に関わる方は、人の数倍もの自己犠牲

の精神を持たなくてはいけない。監督責任者の行動は違えども、両事案は真逆だった。最後まで課さ

れた任務をまっとうしていたら、被害が最小限に食い止めたかもしれないと思うとやりきれない


▼安心安全、人の命に関わることは、どんなに素晴らしいガイドラインを作成し担当者に配布しても、

配布された側の責任感と自覚が備わっていないと、まったく無駄になってしまう。ルールを作っても、

責任放棄が優先なら、安心安全は破綻する


▼安心安全ヘの理解と責任感の醸成は、問題のすべてを隠さずに公開し検証、反省することで安全へ

の心が芽生えるのではないだろうか。(埼玉・YW)


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