コラム

2014/07/09

襟を正す時間はまだある(群馬・AN)

襟を正す時間はまだある


▼東京都議会での女性議員に対するやじが大きく報道された。子育て支援体制に関する質問を行った

際「早く結婚した方がいいんじゃないか」といった、やじが飛び交った問題だ。やじを飛ばした都議

本人が謝罪する形で幕引きを図ったが、国民からは厳しい批判の声が一斉に挙がった


▼『やじは議会の華』とも呼ばれ、発せられたやじから議論が盛り上がることもある。しかし、今回

のやじは人権侵害も甚だしく、あきれ返るばかり


▼車で信号待ちをしていた際、前方のトラックからタバコの吸い殻が投げ捨てられる光景を目にした。

同乗していた娘も「今、タバコを外へ投げちゃったよ」と驚嘆していた。大きく開いた窓から腕を出

し、その手から短くなったタバコが地面にポトリと落ちた。建設業従事者だった


▼地域にとって、建設業は雇用の受け皿になっている。以前、ある建設企業の安全衛生大会を取材し

た際、社長が従業員を前にして「新聞に載る犯罪者の多くは無職の人、または建設業従事者が多いと

言われる。本当かどうかは定かではないが、そういった見方をされないためにも日ごろからの行動が

非常に大事」と強調していた


▼建設業に対しては担い手3法の改正など、これまでの向かい風から追い風に変わりつつあり、建設

業への期待はより高まっている。その反面、建設業も変わらなければ、即時厳しい風当たりにさらさ

れる。自分たちが造った道路へのタバコの投げ捨ては、自分たちの存在意義をも打ち消してしまう残

念な行為。これからの日本にとって、建設業の未来は明るいものでなければならない。襟を正す時間

はまだある。(群馬・AN)


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