コラム

2014/07/29

官製談合防止DVD(東京・UT)

官製談合防止DVD


▼過日、国交省が職員研修で使用している官製談合防止DVDを視聴した。タイトルは『あなたとあ

なたの大切な人を守るコンプライアンス』―入札談合行為をなくすために―。高知の官製談合事案を

ベースに作成されたもので、二人の副所長が登場し、談合世話役からの不当な働きかけに対し、一人

は模範的な対応、もう一人は不適切な対応をして、違いを際立たせている


▼登場する談合世話役がまず、着任したばかりの副所長を訪ね、「地域のためにどんな災害でも体を

張って守る」「地域の疲弊が心配」などと語る。そして談合に加わらない企業について「自分のとこ

ろさえ良ければという業者がいる」などと、おとしめた上で、注目工事にその企業が応札するかどう

か教えてほしいと聞く。副所長が「さすがにそれはできない」と断ると、世話役は「せめて参加業者

数を教えてほしい」などと食い下がる


▼DVDでは不当な働きかけに対し、個人で対応するのではなく、組織として毅然と対応することの

重要性を説く。前提として、民間企業が訪ねてきた際は、副所長が一対一で応対するのではなく、複

数名で接することも強調していた。国交省では副所長室の大部屋化も進めている


▼地元の建設企業が災害時や除雪作業で地域のために非常に大きな役割を果たしていることは、厳然

たる事実。ただ登場する談合世話役は、副所長から情報を聞き出すテクニック? として悪用した


▼こういった悪質なケースを絶つためにも、地域防災に従事する動機付けや請負費用を一層明確にし、

誤解を恐れず言えば事務的に徹する必要があるのではないか。(東京・UT)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら