コラム

2014/08/30

天災は忘れたころに(群馬・KK)

天災は忘れたころに


▼「○年に一度」「前代未聞」「観測史上初」―。一体ことしに入り、何度耳にしただろうか。豪雪、台風、竜巻、猛暑…。経験したことのない自然災害が発生している


▼広島市で8月20日に発生した土砂災害。気象庁によると、今回土砂災害が発生した地域では、19日午前11時から20日午前6時における総降雨量が243㎜に達していたという。この雨量は1976年の統計開始以来、24時間における降水量が観測史上1位。この豪雨の原因は、日本海側に停滞している前線へ、南側からの湿った暖かい空気が流れ込むことによって、猛烈な雨を降らせたという。多くの尊い命が奪われたこの災害。犠牲になった方々の冥福を祈るとともに、自然の恐ろしさを改めて認識した


▼群馬県が発表した、2013年4月現在における道路防災総点検結果と進捗状況では、落石などに対する対策が必要な箇所数が1399カ所あるのに対し、対策が完了している箇所数は601カ所。まだまだ対策が行き届いているとは言えない状況


▼災害専門家によると、水害や土砂災害などで、一般的に安全と言われている地域は、大方1世紀前ぐらいまでの話であり、2~3世紀前までの災害状況を調べないと、その地域が安全であるとは言い切れないという。しかしながら、一般住民が2~3世紀前の災害状況を調べることは通常、困難に等しいようだ


▼「異常気象」や「○年に一度」などの言葉で片付けられてしまう多くの自然災害だが、防災や災害対策など、今まで以上に迅速な対応が必要ではないだろうか。いつ「異常」が「通常」となるかは、誰にも分からないのだから。(群馬・KK)


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