コラム

2014/08/29

世界一に輝いたキャプテン(山梨・MK)

世界一に輝いたキャプテン


▼少し前の話題で恐縮だが、サッカーワールドカップ・ブラジル大会で優勝したのはドイツだった。ドイツの世界一は24年ぶりで、栄光のトロフィーを掲げたのはキャプテンのフィリップ・ラーム選手


▼ラーム選手のことは今年5月の小欄で取り上げさせていただたいた。彼はドイツの昨シーズンの王者であるバイエルン・ミュンヘンでもキャプテンを務める。主に守備を担当するディフェンダーだが時に貴重なゴールも挙げる。1対1の勝負に強く、パスミスも少ない。視野が広く、試合の流れを読む力も優れ、スランプもなく、けがもしない。世界的にもベストプレーヤーの一人だと地元メディアは称える


▼なぜ彼がキャプテンなのか。あるドイツ人ジャーナリストは伝える。彼はいつも冷静で、声を張り上げもしない。エゴを主張せず、他人を気遣える。実力は認められながら自らの権威をひけらかしてきた歴代の代表キャプテンとは違い、年齢に関係なく平等な関係を築き、風通しの悪かった代表チームを変えたと。振り返れば、24年前に世界一になった時のキャプテンもそういう人物だった


▼ドイツはワールドカップ準決勝でブラジルに7対1と大勝する。しかし試合後のキャプテンの喜びは控えめだった。開催国でサッカー王国であるブラジルをさらに辱めるような態度を良しとしなかったのだ。試合後の興奮状態でも相手を思いやる、そんな態度をメディアが称賛した


▼ワールドカップ後、ラーム選手は代表からの引退を宣言。今後はクラブチームでのプレーに専念するが、彼がキャプテンであるチームはこれからも栄光に包まれるだろう。(山梨・MK)


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