コラム

2014/09/04

伸びすぎた鼻(茨城・KS)

伸びすぎた鼻

止めるのは?


▼イタリアの著名な童話 『ピノキオ』。木の人形の主人公は、嘘をつくと容赦なく自身の鼻が伸びた。また鼻と言えば、日本伝承の妖怪「天狗」。異様に長いその鼻は慢心の象徴という


▼朝日新聞は、第二次世界大戦時に日本軍が韓国の済州島で女性を強制連行したとする故・吉田清治氏の証言をもとにした一連の特集記事を、証言に虚偽があったとして取り消した。虚報が隣国や国連に飛び火した。全国紙だけでなく、雑誌、テレビ、ラジオなども抱えるマスメディアの影響は計り知れない


▼この吉田証言の記事は、国連の人権委員会の報告書の根拠となり、「日本軍は組織的に性奴隷を強制連行した」という虚偽が世界的に流布され独り歩きしている。報告書をより所に韓国は今も日本に謝罪と賠償を迫り、アメリカにも性奴隷に関するモニュメントを建て続けている


▼自動車や家電メーカーなどでは、過失が発覚すれば、速やかにお詫びと製品回収のテレビCMを放送したり、新聞に同様の広告を掲載する。しかしオピニオンリーダーを自認する同社は、意図的とも誤解されかねない誤報を、謝罪もせずに自己の紙面で一部を取り消しただけである。自民党前幹事長の石破茂氏は記者会見で、「どうして社会の木たく、社会の公器たる新聞が十分な裏付けも取れないままこのようなことをやったのか」と疑問を呈している


▼ピノキオは嘘をついたことを謝り、妖精に魔法で伸びた鼻を元に戻してもらった。32年間伸ばし続けてきた鼻を折るのは、事実を広げるしかない。ジャーナリストの櫻井よしこさんは「つぶすべき本丸は河野談話である」と語っている。(茨城・KS)

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