コラム

2014/09/05

誇りを持てる処遇とは(東京・HM)

誇りを持てる処遇とは


▼建設現場などでよく見かける、建設業労働災害防止協会がつくっているポスターがある。女性タレントが笑いかけてくる、建設業で働く人にとってはおなじみのもの。今の時期だと全国労働衛生週間をお知らせするポスターが多い。これがネットオークションで3000円ぐらいの値がつくことがある


▼このポスター、予算の都合からか、まだあまり有名でないタレントが起用されることが多いと聞く。それがプレミアがつく理由で、その後そのタレントがブレイクしたりすると値段が跳ね上がる。元は1枚170円のポスターだが、ファンには3000円の価値が十分にあるのだろう。このように、ものの値段は需要と供給によって自然に決まる


▼建設業界では、技能労働者の処遇を改善することで、若年入職者の確保と定着を図ろうとしている。賃金アップはもちろん、月給制にできないか、そのためには直接雇用が必要だ、週休2日にできないか、と活発に議論が展開されている


▼建設現場の仕事は決して楽ではない。屋外が多く、夏は暑く冬は寒い。年齢に伴う賃金アップもほかの職種ほど大きくはない。その中で、若者が誇りを持てる処遇とはどのレベルなのか。家族や友人に胸を張って建設現場で働いていると言える、ここで一生働こうと決意できるだけの処遇とは


▼女性が増えることも魅力の1つかもしれない。異性との出会いも若者には大切な要素だ。なかなか答えが見つからない課題だが、業界が本気で若者を確保・定着させようと取り組みを続ければ、いつか若者の需要と業界の供給が自然とマッチしてくるのだろうと思う。(東京・HM)


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