コラム

2014/09/06

常日頃から判断力養成を(埼玉・SW)

常日頃から判断力養成を 


▼この数年、各地で大雨や台風、突風、大雪などにより甚大な被害が生じている。人命に関わることもあり、危機や災害発生時に市町村が初動対応を適切に行うためには首長の判断や行動がたいへん重要となる


▼埼玉県と総務省消防庁の共催でトップフォーラムが先日、開催された。松浦正人山口県防府市長の講演、昨年10月に発生した台風26号と今年2月の大雪での対応を題材に、避難勧告等の発令と関係機関への応援要請について、知事と首長で意見交換を行った


▼松浦市長は、2009年7月に発生した中国・九州北部豪雨の対応を紹介。災害対策本部設置は「早ければ早すぎると言われ、遅ければ遅すぎると言われる」。避難勧告も、災害発生状況下では「逃げろと言う方が無責任」と指摘した。続けて、その翌週に兵庫県佐用町で発生した豪雨災害で、夜に出された避難勧告で家族揃って避難したが、未だ行方不明の事例を示した。家への被害はなかった


▼意見交換では、避難勧告を発令したものの被害がないまたは軽い、いわゆる空振りへの批判も「空振りで良かった」と思える住民意識醸成が大事とされた。また、大雪で孤立集落が発生して被害を受けたことから、久喜邦康秩父市長は、埼玉県に要請した自衛隊派遣がスムーズでなかったことに「除雪目的ではなく人命救助としてお願いした。趣旨が伝わらず残念だ」と述べた


▼過去の災害対応は参考になっても、毎回同じ対処で済む話ではない。公的機関からの情報が必ずしも正しいとは限らない。時には、自分の身を守るために自分自身で判断を下す必要がある。常日頃から判断力を養いたい。(埼玉・SW)


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