コラム

2014/09/13

建設にも女性登用の波(埼玉・YW)

建設にも女性登用の波


▼早稲田大学名誉教授だった故暉峻康隆(てるおか・やすたか)氏が50年前に、「大学は花嫁修業」という言葉をはやらせたと聞く。「大学をその程度しか考えていない女子学生」との危機感を抱いての警告だったらしい。いま女性がクローズアップされている


▼安倍総理が女性の登用と活用を掲げ、第2次改造内閣で5人を閣内に入れた。民間では4月に大手都市銀行で40代の女性役員を輩出した。その大手銀行の役員は新聞インタビューで「海外でコブラの料理、豚の生き血を出されたら食べないと商談にならない」と答え、今年入行した若手女性職員にも「あなたもやるのよ」と釘を刺したそうだ


▼女性役員誕生の背景には、1986年4月に施行した男女雇用機会均等法施行後30年近くが経過し、その後社会に出て、役員適齢期になっているという理由がある。同法がしっかり運用され、能力と実力という客観材料がそろえば男女の昇進による差別はないという証だ


▼建設業も人手不足の中、国直轄工事で女性技術者配置を原則とした工事を試行し始めた。製造業の女性採用比率は31%の298万人。建設は15%の67万人。今後、外国人や若手、さらに女性の入職を増やそうとの試みの中で、女性技術者誘導施策の一環として試行した


▼現場での女性に適した環境、育児子育て、着替え場所の設備なども評価対象とするという。従来の公共工事では、想像がつかない女性誘導の視点を盛り込んでいる。今後企業はこうした工事にエントリーするため女性の入職を検討するのか、机上の空論になるのか、いずれにせよ女性の活用は必要となるのであろう。(埼玉・YW)


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