コラム

2014/09/23

許可業種化をきっかけに(茨城・KM)

許可業種化をきっかけに


▼閑静な住宅街の朝。週に2回ほど、家の周りを30分程度清掃する。ウォーキングやゴミ出しに出てくる近所の方々とのあいさつは、天気の話しなどいつも簡単なもの。これまで話しかけられた記憶はない。先日は違った。会う人会う人が、立ち止まって次から次に話しかけてくるのだ


▼近所では先日まで解体工事が行われていた。話しかけられた内容は解体工事についてだった。「朝早くから大声で話していた」「作業員が公園で立ち小便」「夜、警報器がずっと鳴っていた」「瓦を屋根の上から、トラックの荷台に放り投げており、荷台を外れた瓦の破片が前の道路に散乱していた」などなど


▼ところが、直接苦情などを言った人は誰一人いないようだった。「解体工事は数日で終わるから」「トラブルになるぐらいなら、言わない方がいい」というのが、皆の言い分だった。しかし工事終了間際に、あいさつの中に苦情が出てきたのは、よほど不満がたまっていたのであろうか。一度話し出すと、止まらない


▼国土交通省は、建設業の許可業種区分を43年ぶりに改正し、これまでの「とび・土工・コンクリート工事」から分離独立する形で「解体工事」を新設する。施行は2年後で、1件500万円以上の解体工事を実施する場合は、解体工事業の許可が必要となる


▼悲願と言われてた解体工事の許可業種化。これをきっかけに、業界がもう一段上に登るためにも、各社が改めて、工事の方法や、近隣住民への対応などを考え直してみてはいかがだろうか。1社の工事の仕方が、1人の作業員の行動が、業界全体のイメージにつながってしまうこともある。(茨城・KM)


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