コラム

2014/10/01

ヒーローからの贈り物(埼玉・HK)

ヒーローからの贈り物


▼プロレス界は、第二の黄金時代と言われるほどに活気付き、盛り上がっている。特に国内最大の団体、新日本プロレスは女性や子どもをも熱くし、チケットが10年ぶりに完売するほどの熱狂ぶり。エース級の選手が入場するときに至っては、悲鳴に近い声援が飛ぶほどだ


▼もうすぐ3歳になる息子は、新日本プロレス所属の、アメリカンコミックに出演するキャラクターのような風貌のキャプテン・ニュージャパン選手がお気に入りだ。きっかけは、キャプテン選手が空を飛ぶCG映像を見たことで、本当に飛べると思い込んでいる。実際のキャプテン選手は、自称・スーパーヒーローで、勝率はめっぽう低い


▼先日、東金市で開催された大会に息子を連れて行った。6人タッグマッチに出場したキャプテン選手は、応援Tシャツとマスクを着用し、何度も「キャプテン!」と声を上げる息子に手を振ってくれた


▼キャプテン選手はこの日も敗れ、首をアイシングしながらタッグパートナーの内藤哲也選手に肩を担がれて満身そういの状態で退場した。心配そうに息子が退場口に近付くと、キャプテン選手は内藤選手に何か呟いた。内藤選手は息子に「キャプテンがあげてくれって」と言い、試合で着用したリストバンドを息子の腕に付けてくれた


▼プロレスラーは、勝つだけが全てではない。たとえ負けたとしても、いかに観客に夢を与えるかがプロだ。息子は今も、ヒーローたちからの贈り物を大事そうに握り締めている。その腕にしっくりと装着できるころまでに、負ける選手でありながらも何度も立ち上がって強敵に挑むキャプテンのような強い人間に育て上げたい。(埼玉・HK)


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