コラム

2014/10/07

利益そぐ変更協議の憂うつ(茨城・HN)

利益そぐ変更協議の憂うつ


▼よく知る建設会社のA社長と久しぶりに話をした。「最近どうですか」とあいさつ代わりに声をかけると「公共工事をやめようと思うんだ」との返答


▼以前から、公共と民間の仕事を半々ぐらいの割合で行っていた。資材高騰や技術者不足は想像できたが、聞けば発注者との変更協議に嫌気がさしているという。「赤字続き」と嘆く社長。昨今、そんなあきらめムードがあるという。だが、そのまま放置して良いわけはない


▼茨城県建設業協会では、発注者との変更協議をいかに有利に進めるかを解説する講習会を先月に開催した。建設現場で発注者との変更協議に苦しむ技術者らを対象に、折衝を有利に進め利益確保に導くためのノウハウを解説したものだ。講師として壇上に立った建設マネジメントコンサルティング研究所の小澤康宏氏


▼折衝のポイントとして、発注者とのコミュニケーション力、そして建設業法や公共工事約款といった法制度に理解を深めることが重要だと話す。特に法制度を把握することは、これからも欠かせない。行政職員は法制度のもとに職務を全うしている。その根幹を知り、理論武装することで対抗できるという考えなのだろう


▼A社長にその話しをしたところ「発注者に食ってかかっては次の工事に影響するのではないか」と懸念を抱いた。以前なら、そんな「お付き合い受注」もできたろうが、いまはそんな時代じゃない。それにしても、コミュニケーション力、法律、さらには下請けとの交渉力など、経営者が取り組む課題は山ほどありそうだ。「何かと大変な時代になってしまったな」と悲観する社長。同感である。(茨城・HN)


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