コラム

2014/10/08

社会への期待と幻滅(長野・JI)

社会への期待と幻滅


▼出勤時、同じ建物に住む女子高校生と、たまに顔を合わせる。多くは突然に後ろから張りのある声で「おはようございます」とあいさつされ、振り返ると笑顔を見せる。早朝から元気な若いパワーに圧倒されてしまう。同じくたまに会う男子高校生もあいさつはしてくれるが、小声でボソボソ言っている。姿勢も悪い。この男女差は何だろうか


▼9月の第2次安倍改造内閣で、5人の女性が入閣した。女性5人は過去最多タイ記録。うち1人は新設の女性活躍担当大臣も兼任している。安倍首相は「女性が輝く社会」を目指すと会見で述べていた。女性が職場や家庭で能力・情熱を開花できる社会を作るのだという。女性閣僚は、その能力・情熱を開花させた代表的な存在だ


▼建設分野でも女性活躍に向けた取り組みが進む。国交省と建設5団体は、女性が活躍できる建設業の行動計画を策定。女性技術者・技能者の数を、現在の10万人から5年で倍増させて20万人にする目標を打ち出した。各団体は女性登用を促進するという


▼同じアベでも、9月に2期目をスタートさせた阿部長野県知事は「一人一人の個性輝く長野県づくり」を掲げる。女性だけでなく、老若男女の県民がいきいきと暮らせる社会に向けた県政に期待したい


▼有能な女性が華々しく注目される一方、兵庫県では政務活動費の内容を追及されて号泣する県議、さらに取材陣から全力疾走で逃亡する県議も現れ、大人の男性として哀れな姿をテレビ画面に映した。冒頭に記した近所に住む高校生の男女差は、個としての違いもさることながら、社会に対する期待と幻滅の現れとも受け取れる。(長野・JI)


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