コラム

2014/10/17

新幹線開業で消える黒字線(新潟・SS)

新幹線開業で消える黒字線


▼東京と新潟を結ぶ上越新幹線の越後湯沢駅。スキーのオフシーズンは閑散としている印象だが、スーツ姿のサラリーマンなどが新幹線から数多く降りていく。多くは特急「はくたか」に乗り換え、富山や金沢など北陸方面へと向かう


▼上越新幹線が上越を、通過も停車もしないのに、なぜ上越新幹線なのかと疑問に思っていたが、上野国(こうずけのくに)(群馬)と越後国(新潟)を結ぶ在来線「上越線」が両国の頭文字を取って命名されたことに由来するということを最近知った。埼京線や京王線など鉄道にはよくあるパターンだ


▼上越地域の上越・糸魚川・妙高の3市は来年3月14日に開業を迎える北陸新幹線・長野―金沢間の最速列車「かがやき」を上越妙高駅、糸魚川駅にも停車させるようJRに要望した。新潟県内の駅に全く停車しないのには驚いた


▼関東から北陸方面に鉄道のみで行くとすると、長岡駅で上越新幹線から在来線に乗り継ぐか、滋賀県米原駅で東海道新幹線から在来線に乗り継ぐ。しかし越後湯沢駅で特急「はくたか」に乗り換え、ローカル線「ほくほく線」を経由すれば最短経路となる


▼「ほくほく線」を運営する北越急行は多くのローカル鉄道とは異なり、開業から16年連続で黒字経営を続けており内部留保は100億円を超える。稼ぎ頭は「ほくほく線」を経由する「はくたか」の運賃と特急料金だが、「はくたか」は北陸新幹線の開業と同時に廃止される。内部留保のおかげで直ちに廃線とはならないだろうが、数少ない貴重な黒字ローカル線である。惜しまれる。できるなら廃線後も黒字経営が続けられるよう策を巡らして欲しい。(新潟・SS)


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