2014/10/24
環境を逆手に取って活性化(埼玉・SW)
環境を逆手に取って活性化
▼埼玉県日高市内に建設される大型物流施設の起工式に出向いた。神事に立ち会ったこともあり、無事故無災害で工期どおりの竣工を心から願う
▼建設地は、圏央道と国道16号の唯一の結節点となる狭山日高ICの至近位置。2015年度には東名・中央道・東北道に接続する。物流会社にとって交通の便の良さは当然だが、立地を決めた社長は「埼玉県西部の地盤は良く、東日本大震災でも震度4だった。堅固な地盤は物流会社にとってこの上ない魅力。全国的に地価や建設コストが上昇しているなか、開発適地があれば県内への立地を積極的に行いたい」と言う
▼建物は大地震が発生しても機能を発揮する免震構造。バックアップ電源設備により、停電時でも防災センターや一部事務所の照明・コンセントが利用可能で、約43時間もつ。また、全館LED照明の採用など災害時においても業務が継続できたり、環境への配慮も徹底した
▼日高市長は「洪水被害はほとんどない。製造業にも進出して欲しい。企業からの引き合いもあり、土地の規模も大きくなっている」。企業の進出メリットは「1番の魅力は税収だが雇用にも期待している。仕事場が近いのはメリット。市の知名度アップにも寄与する」とPR、期待は膨らむ
▼人口減少社会の真っ只中、企業立地による確実な税収は自治体には大きな保険となる。雇用や知名度向上などを加えれば一石三鳥にも四鳥にもなる。埼玉県は海なし県と冷やかされることもあるが、海なし県は全国で8県だけと言えばレア。他県の自治体に負けないよう、時には環境を逆手に取って埼玉県を活性化させて欲しい。(埼玉・SW)