コラム

2014/10/30

社会的つながりで活性化を(東京・UT)

社会的つながりで活性化を


▼スターバックス・コーヒー、映画館、大学、救命救急センター。これらの共通点は何か、それは人口10万人以上の都市(約30万人以上の都市圏)に存在する施設だという。国交省が公表した「国土のグランドデザイン2050」で、「存在確率」(可能性の高さ)という考え方を導入して整理した


▼これからの国土づくりにおいて、30万人という規模を一つの社会的ネットワークとして設定。一つのまちではなく、市町村境界を越えたゾーンでとらえる考え方だ


▼2010年当時、三大都市圏を除いた場合、30万人以上の都市圏は全国に61あった。何も手を打たなければ、2050年には43に減少すると予測した。函館、青森、いわき、日立、那須塩原、鳥取、佐世保などは、維持できない方のカテゴリーに含まれている


▼太田国交相は折に触れて、「それぞれの都市が個性を磨き、生き抜いていく」ことの重要性を唱えている。個性や特長が違いとなって、人・モノ・情報の交流は、それぞれの地域が多様であるほど活発化するといわれる。国交省は、複数の地方都市が高速道路などのネットワークを活用して30万人都市圏を確保する「高次地方都市連合」を全国60~70箇所程度で構築することを基本戦略に掲げた


▼「弱い紐帯(ちゅうたい)の強み」という概念がある。価値の高い情報は、家族や友人といった社会的つながりの強い人々(強い紐帯)よりも、あまり付き合いのない人(弱い紐帯)からの方が可能性が高いという理論だ。接点がほとんどない、価値観が違うからこそ、交わった時に大きな成果が生まれる。多様性は、国土づくり以外にも肝要なのだろう。(東京・UT)


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