コラム

2014/11/29

富士山噴火の怖さと関心(山梨・TH)

富士山噴火の怖さと関心


▼御嶽山の噴火から2カ月が経過した。噴火直後の映像をテレビで見たが、黒ずんだ噴煙は地獄絵図を見たようだった。ショックだった。御嶽山の噴火は2007年以来7年ぶりで、その火山灰は、山梨県内の一部でも確認された。わが家の自動車にも、うっすらほこりのようなものがあったが、これが降灰なのだろう


▼最近では、山梨県と静岡県境にある富士山噴火への関心が高まりつつある。新聞や週刊誌で、いつ噴火してもおかしくないと不安をあおる。山梨、静岡、神奈川3県と国で、富士山の大規模噴火を想定した防災訓練を実施した。住民を交えた3県合同の訓練は初めてだった


▼訓練では内閣府と各県庁を結んだテレビ会議で、3県の知事と山谷えりこ防災担当相が対応を協議し、御嶽山噴火の教訓を踏まえ、登山者や観光客への入山規制の周知徹底と、残留者の確認、安全確保を行うことを確認した


▼3県で想定を進める「富士山火山広域避難計画」によると、1707年の宝永噴火と同規模の場合、降灰により3県で計47万人が避難を迫られると試算。溶岩流が発生すれば、計68万9000人が避難対象になるとみている


▼御嶽山の登山者や行方不明者の確認が難航したのは、登山計画書を提出していない人が多かったためといわれた。基本的には提出は任意だが、全国の活火山で義務化が検討されている。今回の噴火で改めて必要性が確認された。特に300年近く噴火していない富士山は脅威で、これまでのノウハウが通用するのか分からない。噴火の予知は難しいが、前兆現象を日々観察することが重要だ。まずは噴火しないことを祈りたい。(山梨・TH)


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