コラム

2014/11/06

ドラフト会議の光と影(群馬・SS)

ドラフト会議の光と影


▼プロ野球のドラフト会議が終わった。毎年この時期、注目選手の動向が気にかかる。12球団どこでもOKと公言する選手がいれば、希望する球団への入団が叶わず、入団拒否の姿勢を示す選手もいる。日本ハムの大谷翔平選手も当初は入団拒否の意向だったが「二刀流」を口説き文句に入団に至った。交渉過程も含めファンには最高のひとときだ


▼1位指名が確約されている選手がいれば、当落線上の選手もいる。指名が競合して抽選になるような選手の表情は笑みがこぼれている場合が多いし、ぎりぎり駆け込みで指名された選手はホッとしている表情がうかがえる


▼しかしプロ野球の世界は厳しい。各球団の保有選手数上限は70人。入ってくる数だけ、出て行く選手がいる。毎年ドラフト会議前後には各球団から戦力外通告、つまりはクビを宣告される選手も大勢いる。その中には現役引退を決意する者もいれば、トライアウトを受けて現役続行を模索する者もいる


▼中学校の同級生も今秋、戦力外通告を受けた。小中時代から主力打者で、高校時には甲子園に出場。東北の名門大学を経て、楽天に入団。その後巨人へ移籍したが、なかなか結果が伴わなかった。トライアウトを受ける方針だという


▼一般紙の扱いを見てもプロ野球の世界の厳しさは見て取れる。ドラフト会議の記事はスポーツ面を見開きにして取り上げられる一方、退団を余儀なくされる選手の動静は、同じ面のベタ記事がせいぜいだ。そして多くの選手は人々の記憶から消えていく。それでも野球ファンは彼らからたくさんの夢や希望を与えられた。この場を借りてありがとうと伝えたい。(群馬・SS)


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