コラム

2014/11/11

オールドルーキーに注目(茨城・HS)

オールドルーキーに注目


▼10月23日は野球選手の人生を左右する1日になった。ある人は喜びのうちに年末を迎えることができるが、ある人は悔しさを抱えたまま年を越さなければならない。プロ野球ドラフト会議は、毎年違ったドラマを生み出すから面白い


▼即戦力右腕と言われる有原航平投手(早稲田大学)の交渉権は、4球団競合の末、日本ハムが獲得した。高校生No.1の長距離砲岡本和真(かずま)選手(智弁学園)は巨人が、「大谷2世」の呼び声も高い松本裕樹選手(盛岡大付)はソフトバンクがそれぞれ単独指名。両人ともプロ野球界の将来を背負う選手として期待がかかる


▼彼らのようなドラフト1位組は、マスコミが取り上げる回数も多く、何かと脚光を浴びる。一方、下位指名の選手は、彼らの歩んできた人生そのものが注目されることが多い。中でも日本ハム5位指名の左腕、瀬川隼郎(はやお)投手は、20代半ばの戦力外通告も珍しくないこの世界で、遅咲きの部類に入る28歳の既婚者ルーキーだ


▼瀬川投手は日本ハムの地元、北海道の社会人チーム「室蘭シャークス」に所属。幼いころに母親を亡くし、父・和郎さんの男手ひとつで育てられた。食事も弁当も和郎さんの手作りだったという。念願のプロ入りが決まり、これからは瀬川投手が和郎さんに恩を返す番。そして奥さんとお子さんのためにも、1日でも長くプロとして活躍してほしい


▼オールドルーキーは何より結果が求められる。ただ、彼らには新卒にない経験値がある。自信を持って実力を発揮すれば自ずと数字もついてくるだろう。瀬川投手が来シーズン、どんなピッチングを見せてくれるか今からわくわくしている。(茨城・HS)


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