コラム

2014/11/19

明日の業界に向けた種まき(群馬・MY)

明日の業界に向けた種まき


▼群馬県内における若手建設技術者の不足解消対策の一環として、産学官連携によるインターンシップが進められている。建設系の実業高校や大学などを対象に、群馬県、群馬県建設業協会、群馬県測量設計業協会が講師になり、業界の現状を紹介しようとする試みだ


▼実業高校1年生の授業現場に取材で訪れてたが、就職事情が厳しいというのが率直な感想だ。教室を後ろからのぞくと、よく日焼けした坊主頭がそこかしこで、こっくりこっくりと舟をこぐ光景に出くわす。第3者の目からは、部活動で疲れている生徒だけに問題があるとは思えなかった


▼まず、講師に立つ側の話が難解すぎることが多い。総事業費や経済効果を用いた事業説明が高校生の就職につながるとは思えないし、工事や設計の話も漠然としたものになりがち。また、「一度は耳にしたことがあると思うけど」に続く専門用語の解説は、眠気を誘う要因である


▼解決策は、話のレベルを徹底的に高校生に落とし込むことだ。事業説明ならば身近な歩道拡幅を取り上げ、なるべくヒトに焦点をあてて、入職後の成長過程ややりがい、喜びについて具体的な体験談を説明すると分かりやすい。限られた時間なのだから、話題は仕事全般ではなく、1~2個に集中すべきだ


▼今後は一方的な説明だけでなく、双方向の情報交換も重要だろう。生徒には建設系学科を専攻した理由があるはずで、事前に質問を用意し、大人たちが熟練者の視点で彼らの視野を広げるように回答してあげたらどうだろうか。若者たちをなかなか慣れないだろうが、苦労してまいた種はきっと芽を出すはずだ。(群馬・MY)


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