コラム

2014/11/22

リニアが認可今後にも注目(山梨・MK)

リニアが認可今後にも注目


▼総工費約5兆5000億円の国家的プロジェクトともいわれるリニア中央新幹線(東京・名古屋間)。事業主体のJR東海は先月、国土交通大臣による工事計画認可を受けた。開業予定は13年後の2027年度(平成39年度)


▼リニアは、車両に搭載した超電導磁石と地上に付けたコイルの間の磁力によって動くため時速500㎞が可能になる。山梨県都留市にある県のリニア見学センターではリニアを間近で感じられるが、目の前を通り過ぎるそのスピードは圧巻


▼超高速によって品川~名古屋間はノンストップで約40分。甲府市郊外に整備される山梨県駅と品川駅間は待避時間を含めて約25分だ。リニアによる時間短縮で山梨県は東京圏になるといわれている。羽田空港との乗り継ぎでも約1時間で結ばれ、世界遺産富士山を抱える山梨では観光面での波及効果に期待を寄せる関係者は多い


▼一方、課題も指摘されている。品川駅と名古屋駅は大深度地下約40mでの工事。大都市部だけではなく南アルプスなどの山岳地帯も長大トンネルで難工事が予想され、自然環境への影響対策が求められる。山梨新駅前の開発にも注目が集まる。山梨県が中心となって山梨新駅周辺整備の基本方針の作成が進められているが、観光施設や駐車場だけではなく健康産業の集積構想もある。ほかにも国際展示場やリゾートホテルの誘致などの話も出ている


▼認可を受けてJR東海では、これから地元説明会などを順次開き、用地取得、測量、工事へと進めていく。丁寧な説明と安全な施工を期待するともに、本紙もリニア施工史を記録すべく今後の進捗を追いかける。(山梨・MK)


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